組織を壊す方法——OSSサボタージュ手册が教える官僚化
組織をどう破壊するか
1944年、第二次世界大戦のさなか。CIAの前身である戦略情報局(OSS)は、秘密裏に小冊子『Simple Sabotage Field Manual』を編纂し、ドイツ本国と占領地の人々に配布してナチスへの暗中破壊を指導しました。
2008年に機密解除され、公開ダウンロードできます。


驚くべきことに、内容はいまも実用的で、ナチスだけでなくあらゆる組織を壊すのに使える、と指摘されています。
一章のテーマは官僚主義です。官僚化を助長すればするほど組織の効率は落ち、有効に動けなくなり、破壊につながる、というものです。
組織を壊すもっとも有効な方法は、官僚化させることだ。 意味のない会議、複数署名が必要な書類、本来6分で終わるのに6週間かかる手続き。重層の規則が実務を窒息させる。
具体策として手册は次を挙げます。
- 自分では決めず、委員会に上げて決めさせる。
- 文書の細かい文言で値切る。
- 重要なことが出たら会議を提案する。
- 融通をきかず、すべてを厳格に手順どおり進める。
- 文書はできるだけ冗長にする。
- 手続きと承認フローを増やす。
この六点を徹底すれば、国家からチームまで、組織を壊せる——というのが手册の教訓です。
これからどう見るか
AIが議事録もスライドも量産する時代、官僚化のコストはさらに下がる一方で、判断の質は上がりません。一人会社や小さなチームは、委員会と承認の迷宮を避け、責任の所在が一人に集中する設計そのものが競争力になります。情報は安いが、決断する脳と、読者・顧客への説明責任は希少です。小さな池で深い井戸を掘るとは、手続きを増やさず、信頼を複利で積むことでもあります。
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