富はAIへと集中しつつある
富はAIへと集中しつつある
最近、AIに関連するものは、ほぼすべてが値上がり傾向にある。
それは株式市場を見れば一目瞭然だ。メモリ、ストレージ、CPU、サーバー、液冷、光通信、変圧器など、関連銘柄の株価は幅広く上昇。すでに高騰していたチップやモデル、コンピュート関連に加え、銅やアルミといった原材料の価格まで引き上げている。
その上昇幅の大きさには目を見張るものがある。メモリを例に挙げると、世界三大メーカーのうち2社が韓国にあり、この2社だけで韓国株式市場の総合株価指数を2600ポイントから1年で7600ポイント近くまで押し上げたとも言われている。
2024年10月には、サムスン電子の会長が半導体事業の業績不振を謝罪したばかりだが、今年は一転して世界で最も利益を上げる企業になる可能性さえ浮上している。

もう一つのメモリ大手であるSK hynixは、さらに大きな話題を呼んだ。労使協定により利益の10%を従業員に配分するという条件のもと、警備、運転手、受付なども含む全従業員を対象とした今年の平均ボーナスが、1人あたり約7億2800万ウォンに達するという試算が報じられた(報道)。

大規模言語モデル(LLM)を提供する企業側からは、さらに多くの「億万長者」が続出している印象だ。OpenAIは昨年、600人の従業員を対象に66億米ドル規模の自社株買い(従業員向け流動性プログラム)を実施。これにより、従業員1人あたり平均で約1000万米ドル近くを手にしたと紹介されている。
これら一連の出来事は、社会の富が再分配され、急速にAIへと集中している現実を物語っている。
そしてその影響は、AIを使わない人々にまで及ぶ。 たとえ自身が生成AIを利用していなくても、物価の上昇や、あらゆる資金が既存の業界からAI関連へと流出していくことは避けられない。
スマートフォンやPCなどの日常的な電子機器、電子部品、さらには銅やアルミといった基礎的な生産資材も値上がりしやすくなる。AIと無関係な業界にいる人は、AIの恩恵を受けにくい一方で、コスト上昇や需要の低迷、投資の減少といった逆風にさらされやすいのが現状だ。
「一将功成万骨枯(一将功成りて万骨枯る)」という古い言葉があるように、AIの台頭の陰には、他の多くの業界の凋落が伴うという見方もある。
技術革命が起きるたびに富の再分配は行われてきたが、今回のAI革命は進行が特に速く、規模も大きく、再分配による衝撃も一段と強い。
個人、特にインターネットやソフトウェア業界に身を置く人々にとっては、他に明確な選択肢がないようにも感じられ、富の誘惑や時代の潮流に抗えず、AIを受け入れざるを得ないという心理状況がよく見られる。
炭水化物量はLLMに推定させてはならない
糖尿病患者は徹底した糖質管理が必要であり、砂糖だけでなく炭水化物(米や小麦粉など)の摂取も控える必要がある。炭水化物は体内で最終的に糖へと変わるためだ。
そのため、摂取する食事にどれだけの炭水化物が含まれているかを正確に把握することが求められる。
そこで「食べる前に料理を撮影し、大規模言語モデルに炭水化物量を推定させる」というアイデアが自然と浮かび上がる。

これについて、英国の医師が実験を行った。チーズサンド、パエリア、クレームブリュレなど13枚の食事写真を、GPT-5.4、Claude Sonnet 4.6、Gemini 2.5 Pro、Gemini 3.1 Pro の4つのモデルに読み込ませ、炭水化物量を推定させたのである。
結果は予想を大きく裏切るものだった。4つのモデル間で回答が一致しないばかりか、まったく同じ写真を同じモデルに何度も送信しても、その都度答えが変わるという結果になった。
上記のパエリアの写真を例に、各モデルへ複数回試行した際の推定値は、以下のようなばらつきを見せた。

どのモデルも、同一の写真に対する推定値の幅が非常に広い。最もばらつきが激しかったのはGemini 2.5 Proで、55gから484gまで、実に429gもの差が生じた。相対的にまとまりが良かったのはClaude Sonnet 4.6だが、それでも無視できないほどの誤差がある。

チーズサンドの例では、パッケージに表示された実際の炭水化物量は40gであったが、GPT-5.4の平均推定値は74g、他の3モデルは28gとなり、いずれも正確とは言い難い結果に終わっている。
さらに、モデルは料理そのものの識別すら安定しておらず、チーズサンドの中に「焼いた肉」が挟まっていると誤認するケースもあったという。
結論として、食事の炭水化物量を大規模言語モデルに推定させるべきではない。現時点では、精密さが求められる医療・健康分野の推定をLLMに委ねるのは極めて困難であると言える。
MicrosoftがSMS認証コードを廃止する方向へ
現在、多くのウェブサイトやサービスが、ログイン時の二要素認証としてSMSでワンタイムコードを送信する方式を採用している。

しかし、この方式にはセキュリティ上のリスクがつきまとう。攻撃者が携帯キャリアを騙して対象の電話番号を自身のSIMカードに紐付け、SMSを乗っ取る「SIMスワップ」の危険性があるほか、SMSは暗号化されていない平文に近い状態で送信されるため、盗聴されやすいという欠点がある。
こうした背景から、MicrosoftはSMSによる認証コード送信を廃止する方針を固めた。代わりに今後は、Passkey(パスキー)、時間同期型のワンタイムパスワード(TOTP)、および検証済みのメールアドレスの利用を推奨していくという。
その中でも、PasskeyがWindows 11以降における主要な認証方式として位置づけられる見通しだ。
Passkeyはユーザーごとに固有の鍵ペアを生成し、Windowsのパスワードマネージャーに安全に保存される。ログイン時は顔認証、指紋認証、またはPINコードによって秘密鍵を呼び出す仕組みのため、極めて高い安全性を誇る。

また、Passkeyの概念に焦点を当てた英語の入門記事も、簡潔で非常に参考になる。

Amazon Supply Chain Services
Amazonは今月、「Amazon Supply Chain Services(ASCS)」を発表し、自社が保有する貨物輸送、配送、倉庫、ロジスティクスネットワークを外部企業にも全面開放することを明らかにした。

これにより、あらゆる企業がAmazonの強固な物流インフラの上に自社の商品ビジネスを乗せることが可能となり、すでにP&Gや3Mといった大手が利用を開始している。
この動きは、2006年の「あの出来事」を彷彿とさせるとの論評も多い。当時、Amazonは自社のサーバーインフラを外部に開放することでAWS(Amazon Web Services)を立ち上げ、今日のクラウド時代を切り拓いた。

インフラ開放の対象が、サーバーから今度は「倉庫と物流」へと移った形だ。これが製造業のあり方そのものを変革していくのか、大きな注目が集まっている。
将来的には、物理的なプロダクトであっても、設計さえできれば生産は外注し、物流と販売は標準化された外部サービスを購入するだけで完結するというビジネスモデルが加速する可能性がある。
タイプライターの模型
最近、ある模型の紹介記事を目にしたが、非常に興味深い内容だった。

これは深センの企業がリリースした、19世紀の機械式タイプライターを再現した木製模型だ。購入後、ユーザー自身が手作業で組み立てるキット形式になっている。

最も面白い点として、完成後は実際にキーを叩いて文字を「打つ」ことができる。ただし機能は限定的で、大文字と小文字の切り替えはなく、大文字のみのタイピングに対応している。
単なる立体パズルとしての玩具に留まらず、タイプライターの物理的な仕組みや原理を学ぶ教材としても優れており、海外でも大きな注目を集めている。